第43回香港和僑会


第43回

フェニックスグループ 荻野 正明氏

第43回香港和僑会

開催日

11月21日(金) 19:00 ~ 21:30

開催場所

日本人倶楽部

参加者数

30名

第43回香港和僑会

◇アインシュタインの質問

荻野先生のお話といえば「経営者はなぜファーストクラスに乗るか?」「なぜ起業するか?」など「改めて問われると…」海外起業家にとって深く考えさせられ、あとまで尾を引く質問がお約束。これを私は、「適切な質問を考えるのに一番時間を費やす。」といわれるアインシュタインになぞらえ “アインシュタインの質問”と勝手に命名させていただいた。

今回は極め付け(?)の『お金を儲けるとはどういうことか?』

想像を絶する香港のお金持ちの世界を精神面から垣間見られる千歳一隅のチャンス。「これは絶対聞き逃せない!」

が体調不良であえなく欠席。しかしさすがは荻野先生の神通力。ライブ講演は聞き損ねたものの、ことのほか多くのチャンネルから講演の模様が入ってきた。「人はいい経験をすると他の人に言いふらしたがる」といわれる。評判の多さからも、いかに名講演だったかが分かる。

『おかげで、まるで聞いたような気分になれた』そう自分を慰めていると、速記録のエキスパート“拙速で候さん”から「議事録出来たからちょっと見てよ」と。「オイオイ聞いていない人に見せったってわかりっこ…」そう思いながら出来たての原稿に目を落として、びっくり「みんなから聞いた話の雰囲気と全く同じだ!」

ということは速記録を書いた“拙速で候さん”もすごいし、口々に講演の内容を教えてくれた人たちも達人。

そして何より…

人の口や文章を通して自分の言いたいことを多くの人に狂いなく伝える荻野先生はもっとすごい!

さらに

「恐るべきは和僑会。」最近、単なる日本を飛び出した海外起業家の集まりではなく確実に進化をつづけていることを休んで改めて体で感じた気がした。(う、居場所が…)

もっとも…、

この議事録を見ておそらく荻野先生はひとりでこうつぶやかれる気はする。

『私の言いたかったことの十分の一も伝わっていないのか…』

荻野先生ありがとうございました。

「群盲象をなでる」これに懲りずにこれからも和僑会をよろしくお願いいたします。   

(ここまでの文責 上野)

講師:フェニックスグループ 荻野 正明会長

テーマ:『お金を儲けるとはどういうことなのか?』

和僑会では以前もお話をさせてもらっている。

1966年から今日(こんにち)まで香港に住んでいるので古い部類に入ると思う。長く居るのが私の取り柄だ。

4年間日本の会社の駐在員事務所で駐在員をしていたが、本社が黒字だった香港事務所を閉鎖するというので、会社方針に反対し会社から事務所を譲り受けて独立した。408sqf(約12or13坪)の広さしかない事務所だった。これまでの長い経験から色んな人と知り合いとなった。

◇資産1兆円も…桁が違う香港のお金持ち

つい最近まで気がつかなかったのだが、日本と香港では金持ちの度合いがずいぶん違う。勿論日本にも金持ちは一杯居るのだが、資産1兆円を超える金持ちは香港には居るが日本には居ない。人口比では日本の方に金持ちが多く居てもおかしくないはずだが実際にはそうなっていない。日本の税制と香港の税制では違いがあるのだが、そういう観点ではなく、メンタリティが香港人と日本人で違うのではないか?そんな仮説を考えて今まで付き合いの合った人がどうだったかを当てはめてみたら当たっていた。

日本でも起業して成功した人たちの話、例えば“SONYの7人の侍“など成功に関する話はいっぱいある。企業を目指す皆さんも「自分も金持ちになりたい」そう思って会社を立ち上げようと言う気になったのではないか?ここから日本人と中国人は違っている。

金持ちになるポイントが3つある。

1つ目は手に入れた金を出来るだけ使わない。貯蓄に回す。

2つ目はお金にお金を産ませる。即ち運用。

3つ目は運用でも短期の運用は避ける。日本ではWEBサイトを駆使して株とかFXなどが流行っているが、デイトレーダーで数十億儲けたという話はみずほ証券がジェイコム株の誤発注を出し市場の混乱に乗じて利益を得た人ぐらいでそれ以外は余り聞かない。私も株式のサイトは見るがデイトレードは出来ない。やったとしても、桁の違う利益は出せないだろう。

如何にして金持ちになるかに付いて日本人と中国人は考え方に違いがある。中国人は金に対する執着心が非常に強いが、日本人は淡白を装う。金に対して悪いという考えを持っているからだ。例えば「問題をカネで解決しようとする。」「カネで人を買う」「札束で人の顔を叩くようなマネをする」などの言い回しでおなじみの通りだ。中国人は現実的で問題解決に金が必要ならカネを使えばいい。と考えている。必要な事はやったらいい。と考えているのだ。

中国人の起業に対する考え方だが、起業は金持ちになる第一段階と考えている。ビジネスは金持ちになる一つの手段にしか過ぎない。勤め人でも“チャンスがあれば”と言う条件付で準備を怠らない。また、今手掛けている事業があるとしてももっと儲かる事業があると分かったら未練なしに事業を乗り換える。日本人は立ち上げた事業に執着し必ず右肩上がりの事業計画を策定する。現実ではありえない想定にも拘らず特に銀行や大手商社でこの傾向が強い。

中国人の金持ちの概念が日本人と違うエピソードを紹介しよう。

今から40年前、私がまだ20代の頃だ。知り合いに医者をやっている小金持ちのインド人がいた。(母親は中国人)彼が僕にきいた。

医者:お前の夢は何だ?

荻野:100万ドル持ちたい。(当時の生涯賃金よりも多い金額だった)

医者:香港で100万ドルなんて誰でも持ってる。

この時に相当金がないと金持ちと呼ばれない事を知った。

フォーブス香港版の長者番付の下のほうにドラゴンエアの創業者が出ていた。取引先だったから注目したのだが、当時で45、6億円。今の貨幣価値とは違うが100億円持ってないと金持ちとは思ってもらえないのだと悟った。

女性で仕事をしていない人、専業主婦になるのだが、毎月200万円を自由に使える人は香港に2万人以上居る。東京にはそんな人は居ない。

10億円持っていて金持ちに近づいた、20億円持っていて金持ちの仲間入りが出来たと考えるべきだろう。

李嘉誠は一晩で20数億円を現金で準備している。

李嘉誠の息子が誘拐された事件があった。李嘉誠は警察に頼らず自分で犯人と交渉し身代金を犯人に渡したのだが、犯人がマヌケで身代金を取りに来るのに軽乗用車で取りに来た。その為に1度で持ち帰ることが出来ずに2回に分けて持って帰ったという話が伝わっている。だが、20数億円分の紙幣の分量がどのぐらいあるのか想像できるだろうか?李嘉誠の現金動員力がいかにすさまじいか分かるエピソードだ。

Y.K.パオと言う船王がいたが、彼もワーフを買収する時に1晩で1,000億円を準備している。

ここでは資産と言っても動産の部分が多い。

1,000億円超の金持ちが多いというよりもゴロゴロしている。

彼らがどうやって財を築いたか?

まず、入った金を出来るだけ使わない。金に対するセンスが違う。

たとえばパートナーから追加出資を求められたとする。

日本人なら「ない」とは言えないが、香港人は「金を出せ」と言われても「俺は金がない」と答えるだろう。有限責任というリミットの範囲内だけしか責任を持たない。倒産してもロールスロイスに乗っている社長を知っている。日本人であれば会社と命運を共にするだろう。日本で倒産したらスッテンテンになる。代表者の責任感の違いが大きい。また、金に対する嗅覚が鋭くかつ目ざとい。

中国人は一緒に仕事をさせてもチームワークが乱れる。隣と利益が一致しないからだ。

日本人のように力を出し合って組織として利益が出たらその成果を分かち合おうとは考えない。

昔の香港は親方総取りだったせいもあるかもしれない。だから、従業員も「いつかは社長になりたい」と考えただろう。

香港人は1年や3年の投資に非常に強いが、日本人のように長期で利益が出れば、とは考えない。15年で利益が出る。と言うと興味を示さない。「そんな先の話は誰にも分からない」と言われるのがオチだ。6ヶ月先1年先に利益が出ると言うと興味を示す。

これぞと言う案件の為に金を貯めるのだがネタ銭作りに対する努力たるや広範囲にわたりしかも半端ではない。

日本もベンチャーキャピタルが出てきたが、若い会社を食い物にしているベンチャーキャピタルも見受けられる。リスクをヘッジに利用しているのだ。それで低リスクハイリターンになっている。むしられている会社が多い。

中国香港で起業するときには親兄弟から金をかき集めて起業せざるを得ない。きちんとしたベンチャーキャピタルの登場を期待している。

金を貯めるのに理屈は簡単である。根性・スピリットさえあればよい。金を貯めると一旦決めたら、タバコは吸わない、酒は以ての外(もってのほか)、ネタ銭はサラリーを中心に作るのだが、現実にそれをやり遂げた人間が大金持ちとして君臨することになる。

人間どうしてもちょっと余裕が出来ると楽(らく)をしたい、贅沢をしたいと考えるものだ。至福、幸せを感じているときと言うのは大体無駄遣いをしている時であろう。

たとえば歩いていける距離なのにロールスロイスに乗ってみたり、ファイブスターのホテルのスイートルームに泊まってみたり、飛行機のファーストクラスに乗ったりする。エステや美容外科なども同じ部類に入る。これらは無駄遣いだがこれが楽しい。

こう言う考え方は塩漬けにしておいて30代40代は遠ざけておくのが良いだろう。金を作ると言うたった1つの為に全てを絶つことになる。豪邸もグルメも生きていく為には必要はない。

人生後半のための資金も難しい。いまは平均寿命は80歳だから、80歳までで生きるためのコストを考えていればよかった。ところが、これが飛躍的に伸びる可能性が出てきた。例えば100歳とか、、、。再生因子についての研究が進んでいる為だ。京都大学の山中伸弥教授が人間の皮膚から万能細胞(iPS細胞、induced plurepotent stem cells(人工多能性幹細胞))を作り出すことに成功したと報道(記録者註:2007年11月21日)されている。骨髄から再生因子を培養すれば心臓、肝臓などの臓器を自分の細胞から作り出すことが可能になる。肝硬変も2ヶ月で元通りになる。人生80年と思っていたら100歳まで寿命が延びてしまうと伸びた20年をどうするか?金をマネージするのは大事な事なのではないか?

日本人は“金を汚い“とか“金を使って何かをするのは最後の手段”と言うが、香港人からは「金がないのは首がないのと同じだ。」と言われた。

金なき正義は無力であり正義なき力は圧制である。(筆記者註:パスカルの“力なき正義は無力であり正義なき力は圧制である”が元と思われます)金がなければ自分の目的は達成できないのだ。

私も若い頃40歳で仕事を辞めて世の為人の為に仕事をしようと思っていた。そして40歳になった時に2億、3億になったら辞めようと思った。45歳になったら55歳で辞めよう、50歳になったら60歳で辞めよう、しかし、67歳になった今でも辞められない。それは世の為人の為に何かをしようと思っても資金がないと無力だからだ。有りすぎる問題と言うのもあるがないのは困る。

起業するのは何の為か?金持ちになりたいためなのか?ではいくらあれば金持ちと思うか?香港人はネタ銭の為に金をためると言ったが必ずしも起業のためだけではない。老後の資金の為に貯めている香港人も多い。香港の勤労者はMPFを掛けているが全員やられている。20-30%はマイナスになっているだろう。MPFも定期だけにすることも出来るが利息だけで満足する香港人はいない。株式なり為替のFXなりの運用で回している。FX、金や銀・穀物の先物市場や株式投資で増やしてもっとネタ銭のある人たちは不動産に投資をする。“チャンラオ“と言う広東語があるがラオと言うのはアパートの意味だ。どういうことかと言うと、新築マンションの契約に手付金が5万ドル要るとする。正式契約を行なうまでに何日かあるのでその間に売ってしまう事を言う。アパートは投資目的なのでいい物件なら2割なり3割なり直ぐにupするので、契約をする権利を売買してしまう。

もう少しお金のある人は何回かはローンを支払うが完成するまでに転売してしまう。そうすることで大きな利益が取れるからだ。彼らは口コミ情報で人気度を測っている。

どうしてそう言うことが分かっているかと言うと、1986年に自分でマンションを買っているからだ。私がそのマンションの『契約者第一号』だと営業マンが言うので「どの部屋でも選べるのだろう。」と思ったところ、16回から上の階は売ってくれないと言う。デベロッパーが友人や親戚に縁故で契約しているから一般の顧客には売れないのだ。彼らは適当なところで契約する権利を売る。このネットワークに入る事が出来れば濡れ手に粟の利益を手にいれることが出来る。だが、この方法もいつ手を引くかの潮時を見なければならない。見誤れば手痛い損失を被る。

香港で起業するにしても資金は20-50万ドルは要る。10年掛かってもサラリーでネタ銭を作る根性/スピリットはスゴイものがある。

会社を立ち上げたら経営を軌道に乗せるのに必死になるがここでも香港人と日本人では結構な違いがある。香港人は必死さが強い。遮二無二(しゃにむに)金を作る。日本人は金その物を目的にすると“キタナイ“と思っている節があり、金儲けがストレートに出てこない。だが、カッコ良くやって金を儲ける事は出来ないのだ。

香港人の友人からよく「荻野は金儲けが下手だ」と面と向って言われた事が何度もあるが、“カッコ良くやろう“が強すぎたんだと思う。

その点中国人の割り切り方は徹底している。“ダメだ”と思えばパッと辞める。これは真似できない。

昔ニットの工場に毛糸を納めていた。そこの主任クラスの担当者がリベートを取る。それを払うとオーダーを回してくれるのだが、抵抗感があった。オーダーが欲しいのでイヤイヤながらも支払っていた。中国人は直ぐに支払っていた。要はその担当者は私腹を肥やしていたわけだ。その人は独立してニット工場を始めたと人づてに聞いた。ある時にばったりネーザンロードで出会ったので近況を尋ねるとニット工場は辞めてカツラをやっていると言う。何年かして偶然会ってどうしているのか聞いたら今度はエレクトロニクスをやっていると言う。この人の身替わりの速さと言うか節操のなさには舌を巻いた。

立場を利用して金を取り、起業したかと思うと業界を変えていく。儲かると思うと直ぐに飛びつく。だが、そのたびに大きくなっているのは大したものだ。

◇金があったらどうしたいは寝言

夢を描いてその夢に向って邁進するわけだが、

「金があったらどうしたい、こうしたい」と言うのは香港人にとっては夢(寝言)彼らは「夢は金が出来てから考えよう」と発想している。金があったら実現する可能性がある。と考えるのは中国人のDNAなのだろう。だからネタ銭作りが第一目標になっている。この世界では情報は全て口コミだがガセネタもたくさんある。それをスクリーニングする。非常に実戦的なやり方だ。日本人なら、この道一筋で起業を果たしたら同じ業界を何年も続けるだろうが、香港人は10年先、20年先は同じ仕事をやっていないだろう。

日本人が発想する「今やっている仕事をこれ位大きくしてこういう部門を作って」、とは大きな違いがあるのだ。

◇ガンバルが欲張らない

ハイライトを復習すると

ネタ銭を作る→運用する→起業する→本当の大金持ちの道を歩む

香港人は“より多くの金を作りたい”と思うからガンバル。株などでも安く買って高く売る。しかも欲張らない。そこそこのところで売っている。人が買っているところで売り人が買っているところで売っている。これは根性と度胸が要る。

相場で50から100の間を動くと仮定する。すると50で買って100で売ろうとする人が多いだろうが、彼らは違う。50では買わない。60か65で買って85か90で売る。株価が下がると明日はもっと下がると思うので買えないし上がると明日はもっと上がると思うので売れない。10%ぐらい高く買ってもいいのに底値を狙っているから買えないのだ。売るときも天井狙いをしてしまう。少し狙いどころを緩めてやれば随分違った景色が見えるに違いない。彼らの成績は結果としてローリスクハイリターンになっているのだ。

かと言ってなけなしの金をつぎ込む時は最大の利益を出そうとしている。ビジネスもマカオの大小と同じ考え方をしているのだ。欲望を抑えている。やり方を経験すると分かるはずだ。彼らは“15-20%もリターンがあれば十分”そう考えている。だが、この水準にしたところで結構高い。日本のプロのアセットマネージャーが目指す利益率が8-12%なので比べると高い事が分かるだろう。

“これは“と言うのが有ればマネすべきだと思っている。

1983年にある銀行に娘名義の口座を開いた。毎月5,000円ずつ積み立てる口座だったのだが先日その通帳が出てきた。一体いくら貯まっているのだろうかと思って銀行へ行って調べてみたら25年経って180万円を超えていた。「何であの時に5万円にしなかったのか?」と本気で思った。その当時5万円が払えない金額でなかったからだ。物事は複利で考えなければならない実例だ。利益ごと転がすのは中国人にとっては当たり前の考え方だ。

マカオへ香港人の友人とカジノをしに行くが、香港人から「荻野のやっているのはバクチではなくゲームだ。36時間もブラックジャックのテーブルに座って一体何をやっているんだ。体は疲れるしお金だって取られているじゃないか。」と言われる。私のやり方は100ドル賭けて勝った200ドルのうち元手を残して150ドルを掛ける。勝った300ドルのうちまた元手を残して250ドルを賭ける。そういうやり方だ。

だが、香港人の賭け方は違う。大小をやる。勝負が早いからだ。100ドルを賭けて200ドルになったら200ドルを賭ける。勝ったら400ドルになる。今度はその400ドルを賭け、勝ったら800ドルになる。3回勝てば8倍になる。3回連続の勝が一日に何回あるか?そういう賭け方をし、勝ち逃げしているのだ。だから勝ちっぷりがいい。バンバン勝ってチップを置いて終わりにする。

《質疑応答》

Q1:自分も40歳になったら仕事を辞めよう、45歳になったら仕事を辞めよう。金ができたらボランティアをしながら暮らして行こう。と思っている。荻野さんも同じ考え方だが、ハードルはいくらに設定されているのか?

A1:昔は60歳になったら辞めようと思っていたが、今は70歳で辞めようと思っている。金儲けは見苦しいと思っている。地球に生まれた痕跡を残したいと思っている。すると必然的に“世の為人の為”と言う考え方に落ち着く。社長業をやり仕事をしながらでは“世の為人の為”は出来ないと考えている。二束のわらじは履けないからだし、やってはいけないと思っている。一つの目的に集中しないと結果が出ないからだ。近い結果が出たらスパッと辞めてそちらに行こうと思っている。金が残ったら“世の為人の為”に使ってもらおうと思っている。これをやりたいので一生懸命に頑張った。金を残して家族がいがみ合ったら何の為に金を残したか分からない。金は使える範囲で良い。家を持ちたいと思うなら家が買える程度でいいだろう。その後の生活費は年金もいくらかあるだろうし何とかなる。“世の為人の為”なら金は多ければ多いほど良い。いくらないと何が出来ない。と言うわけではない。5億あればいいと思って5億貯まるとその瞬間に20億欲しいと思うのが人間だろう。

Q2:3つ質問がある。①中国人パートナーの選び方のコツ②中国人に舐められない秘訣③中国人と戦うための秘訣

A2:41年間中国人パートナーと共に仕事をしてきた。私は25歳で独立したがパートナーは当時メッセンジャーボーイをしていた16歳の少年だった。「金はいらんからパートナーにならんか?」とこちらから誘った。結果として私が65%パートナーが35%の割合になった。香港人にしてはまじめなので変り種なのだろう。あまりにも理想的なパートナーを最初に見つけたので、答えはできない。

2つめの回答だが、そんな事は考える必要はない。常に真面目にあるべきだと思う。そこを取ると僕たちには何も残らない。自分が真面目ならパートナーも真面目。自分が変な事をすると相手も変な事をする。パートナーは自分を写す鏡だと思って欲しい。

パートナーに何を求めるかだと思う。自分と同じものをパートナーに求めるのか、反対の物を求めるのか?例えば自分は陰性なのでパートナーには陽性の人を選ぶとか。自分を補佐して欲しいパートナーを選ぶのか、自分をリードしてくれるパートナーを選ぶのか?金だけが目的なのか?パートナーに何を求めるのか全部違う。

3つめの回答は『ネバーギブアップ』香港人は「ああ言えばこう言う」が非常にうまい。だが、こちらにしても場数を踏めば段々と上手になってくる。通ってきた修羅場の数だけ上手くなるわけだから絶対に逃げてはならない。

Q3:香港で一旗上げようと思って来たのだが結果が出ない。野心を持った人間を沢山見て来られていると思うのでどういう人間が成功し、どういう人間が失敗しているのかアドバイスをお願いしたい。

A3:ビジネスで人を真似する人が少ない。マネをする大切さを強調したい。柔道でも華道でも茶道でも師匠と同じようにする事を求められる。

ところが、会社では入った人にマネせよとは言われない。自分の先生になる人は誰か?探す必要がある。私には昔そういう人が居たので大変幸せだ。その人が書く字をマネしたり、その人が使っているボールペンやレター用紙まで同じのを揃えてとにかくマネをした。考え方や論理の組み立て方を吸収しようとしてマネをした。

だが、マネをする大切さもあるがマネをしない大切さもある。となりのあの会社は今何をしているだろうか?どうしているのか?こうしているのか?そんなのには何の興味も持っていない。例えばルイビトンが何をしているのか?100倍も桁が違うのに同じ事をやっても勝てるわけがない。常にInnovationを考える事だ。“Be innovative”人がやっていないことはないか常に考えている。

Q4:人生最後の出口として相続があるがファンデーションについてどのような考えをもっているのか?

A4:ファンデーションは相続のための方策が強い。

日本は財団法人の許可が下りにくくなっている。

ファンデーションを設立すると相続はうまくいくかもしれない。だが、私の考えは働けるうちは働いて金を作って、自分が使えるお金以外は全部世の為人の為に使いたい、金を作らせてくれた社会に還元したいと考えている。

自分の子供には15歳になったときには「お前には何も残さない。」と言ってある。20歳になったときにも念を押している。

塊として“ドカン“はない。行きたい大学へはどこへでも行かせてやる。自分の人生は自分で切り開いてくれ。親のおかげでヌクヌクと過ごすというような根性でどうするんだ。と言うことだ。だから、子供たちは自分の会社には入れない。

きれいさっぱりと使ってしまうのを楽しみにしている。

Q5:『お金をもうけるとはどういうことか?』と言うタイトルでお話をしていただいたが私の年代はお金を儲けると言うことは家族を養う手段だと考えている。そう思って今日まで走ってきたし、これからもそうだ。ところが、今の若い人たちは“こういうことをしてお金を儲けたい”とか“これはやりたくない”などと言う人もおり、ギャップを感じている。助言をお願いしたい。

A5:人生を全うするためにお金が必要と言う点に力点をおくのであればサラリーマンを辞めないことだ。公務員も選択肢に入れるべきだろう。公務員と言うのは大きな問題が発生しても財政赤字でもボーナスは出るし年金も多い。『金を作りたい』と言う夢を実現するには3つの段階がある。第一段階はネタ銭を作ること。第二段階は起業すること。第三段階は運用すること。ところが、大きな会社、特に銀行や商社は理屈が多い。どこまでも大きくしていくのを前提に物事を考えている。だが、実際にはそんなことにはならない。ある大手商社の人に「資本主義の虜(とりこ)になるのはやめませんか?」と話したことがある。計画の立案をすると必ず右肩上がりの計画を策定する。本当にそうれが可能なら世界中の車は全部トヨタになってしまう。

資本主義は行き詰まっている、これが今の経済状態である。しかし、残念ながら資本主義に代わるシステムは出来ていない。

話が脱線したので元に戻すとステップをきっちり考えてやればいい。自分で始めた事業1本でやり抜くことが出来れば言うことはない。こっちの人はあちこちに手を出しているが日本よりも香港のほうが金持ちが多いと言う結果が出ている。

自分は不器用にひとつのことばかりしてきた。

( by 拙速で候)

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