第16回 和僑昼の会

第16回
香港中文大学 林加奈子さん
第16回 和僑昼の会
開催日
7月4日(金) 12:00 ~ 14:00
開催場所
華星海鮮酒家(Tsim Sha Tsui)
参加者数
12名
第16回和僑昼の会
今回は、和橋会初となる、現役女子大生(といっても29歳だが)の美容ビジネスプランの発表であった。林さんは現在、香港中文大学MBAの学生だが、以前はNTTデータというIT企業で営業を5年間担当していたとのこと。そんな林さんが、なぜいきなり美容ビジネスに?
林さんは生まれも育ちも北海道。そして都会に憧れて上京したが慣れない一人暮らしのせいで、きれいだった肌が、ニキビだらけになってしまったとのこと。その時代の写真を見せてもらったが美容整形の衝撃的なビフォー・アフターのようである。そんなニキビを直すためいろいろな治療等を試したらしいのだが、救世主となったのは、その名も「プラセンタ注射」であった。ニキビが治っただけでなく、体の調子までよくなり、そのせいか性格までもポジティブになったとのことである。ということは、元はネクラだったという事!? 上京して以来プラセンタ注射は彼女にとって必須アイテムなのだが、留学先のここ香港では、プラセンタ注射が全然広まっていない!つらいMBA生活に加え、プラセンタ切れで体調を崩し始めたまさにその時、そこにビジネスチャンスを見出したのである。
ところでプラセンタとは何なのか?プラセンタとは、胎盤の英語であり、胎児の成長に必要な栄養がつまっている栄養の宝庫である。美肌効果のみならず、疲労回復や免疫力強化など数え切れない効果を持っているのだ。だからこそ、このすばらしさを是非香港にも広めたいと思ったそうだ。
しかしそこには法的な問題があり、日本で流行っているプラセンタ注射を、そのまま香港で展開することはできない。その為、日本最新の技術を組み合わせ、香港第一号として日本ブランドをアピールしながら展開したい、と熱く語る林さん。ついには仮のデモ器まで取り出し、デモンストレーションのイメージを一生懸命説明し始めた。
今回のプランは、学校の起業家コースで、すでにいろいろ揉まれた内容であるらしいのだが、質問タイムではさすが本物のビジネスパーソン、学校では学べないような、非常に現実的で実践的なアドバイスが飛び交った。
「すぐに真似される社会だから、真似されても生き残っていけるような、強い差別化ポイントを!」「メインであるプラセンタの美容サービス以外に、例えばプラセンタの代理店とか、他のビジネスも確保して、メインを支えることができるようにしたほうがよい。」「始めることより、続ける方法が大事!」「香港の規制事項は、すぐに変わることが多いし、いろんな使い方がある。これは、ローカルのパートナーに協力してもらうのが一番。」と、経験者ならではのアドバイス。「商業登記の他に、各種営業ライセンスが必要かもしれないよ。この取得はコンサルに頼むことが多いが、コンサル料は何百万円も掛かったり、取得に数年かかる場合もあるんだよ。」と言われ、大きな目をさらに大きくさせて驚く林さん。「その懸念している件だけど、知り合いがやっているよ。」「それは香港にないと言ってただけど、あそこではやってるよ。」などなど。何ヶ月も悩んでいた懸案事項を、一瞬にして解決策へと導いてくれるような、そんな有益なアドバイスまでこの短い発表で聞けてしまった。
今後林さんは、今回のプランを本格的に進めていくために、MBA卒業後、美容系の国際資格を取りに行くらしい。MBAで学んだ経営知識、資格取得による美容技術、そして、ここ香港で得たネットワークを武器にして、大いにがんばってほしい。