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第36回香港和僑会

第36回

嶋津先生、鮒谷先生、泉先生、石田先生、本田先生

第36回香港和僑会

開催日

4月17日(木) 19:00 ~ 21:30

開催場所

ホテル会議室

参加者数

100名

第36回香港和僑会

◇不可能を打ち破るには

今回の講演はなんと5人のベストセラー作家が一堂に会する。しかも持ち時間は司会を含めた6人で、わずか1時間半。確か心理学者でもある和田先生の本だったと思うが、「2時間の講演を聞きに行くぐらいならその人の書いた本を読んだほうがはるかにためになる」という主旨のことが書かれていた記憶がある。

今回はどう考えても時間が少なすぎる。まさにMission Impossible土台うまくいくわけのない無茶な設定の講演会のように思われた。

煮詰まった漢方薬のように濃すぎて苦いばかりの話となるのだろうか、はたまた完全に燃焼不良で終わってしまうのか?しかし、今回の聴講者は和僑会始まって以来の記録的人数。約100名のお集まりいただいた方々のためにも不完全燃焼は絶対許されないはず。

また、議事録チームは始まる前から完全に白旗状態だった。録音も録画もシャットアウト。おまけに、正確で素早い議事録作りの強力な助人、「拙速で候」さん(ペンネーム)が生憎の急な出張で不在。ひとりでこの情報の洪水を上手に対処するなどこれまた不可能。

不安いっぱいのスタートとなった。

案の定、各講師のリラックスした雰囲気とは裏腹に始まると同時に怒涛のような情報量のアウトプットが始まった。それもそのはず各講師とも無類の読書好き。聞くところによると超多忙の合間を縫って1日1冊ペースとか。情報のインプット量が違う。

同時に5人とも講演のプロ。ランダムな質問に対しても、あたかも原稿があるかのように、きわめて理路整然と話しを組み立て、全く無駄な言葉がない。『天は二物を与えず』書くのがうまい人は話すのが…という世間の常識は彼らには全くあてはまらないようだ。

書くのが追いつかない。(そもそも何で録音・録画が禁止なのだ?)おもわず愚痴っぽくなる。

ここで居直った。

「議事録書くの、やーめた。いくら発言を正確に追ってもこの(異様な)雰囲気まではとても伝えられない。そもそも録音・録画禁止ということは速記録も歓迎されないはず。今回は雰囲気だけ伝えよう」と。(身勝手な解釈)

そう腹を決め、情報の洪水に身をゆだね雰囲気を五感で味わくことにした。すると

「あれ、まてよ。何かこれはジャズの演奏のような…」

全体を眺めると彼らの話は、ジャズ・バンドのように各自の領域を心得たアドリブの会話がお互いに補完しあい不思議なハーモニーをかもし出していた。そうか、5人がソロ演奏なら1時間半ではとても足りない。しかし1時間半の協演というなら話しは全く別。

まさに、これは共感し合う“話のプロ”だからこその成せる調和。また、今回取りつかれたように事前準備に打ち込んだシンセン和僑会の永島氏の進行ぶりも、仲間ながらあっぱれ。さながら永島氏監修の肉声の共著のライブ版(何のこっちゃ?)を堪能した。

しかし…。『この5人なら“野放し”で会話しているところもぜひ聞いてみたいもの』そんな贅沢な望みを抱かせる至極の言葉の演奏会だった。(共著の出版を期待しています!)

速記という単純作業を放棄すると不思議なもので聞きながら次々と今まで考えもしなかった“発想”が湧きおこってくる。『まてよ。このパーフォーマンス。和僑会に当てはめて考えるのも面白いのではないか?』とか。

仮に、旧来の大企業をオーケストラに例えるとすればリーダーに当たるのが指揮者。特に日本そして日系企業はリーダーシップの弱さが現在の日本の足踏みの根源とも言われている。しかし強力なリーダー待望論がある一方、日本人のメンタリティを考えるとアメリカ的なリーダーシップは簡単には受け入れられない。特に和僑会のような“緩い”つながりの組織ではなおさらリーダーシップのあり方が大きな悩みである。

しかし、もし、ジャズ・バンドのように指揮者がいなくても息の合ったハーモニーが奏でられるとしたら。今回のように要所・要所で誰かが適宜、主旋律を奏で全体を導く。仮に、そんなコミュニケーションができたら、その組織はおそらく大企業にも負けないのではなかろうか。彼らが見せた会話のハーモニーこそ手本とすべきコミュニケーションのこれからのひとつのあり方ではないだろうか?

無論、ハーモニーを奏でるためには大前提がある。それは、演奏者各人が単に一流の奏者であるばかりでなく、“思いやる心”のある大人でなければならない。「俺が、俺が」では不調和音となる。また二流の演奏者の仲良しバンドでも人の心には響かない。

では、一流の大人の演奏家になるためにはそうすれば?そういった疑問がわいてくることをあらかじめ見越したように彼らの話の中にはそれらのヒントも予めちりばめられていた。

「人間は毎日7,8割同じことを繰り返しやっている。人によってはそのルーチンワークのためだけに頭を120%(キャパ以上に)使っている人もいる。ルーチンワークは徹底的に分析して、まずだれがやっても頭を使わなくても再現できるようにする。(チェックリスト化、マニュアル化そして継続するためのインセンティブなどの仕組み)」表面上、聞いていると単なる楽チンのための行動学のようにも聞こえる。しかし彼らが言いたかった一番のエッセンスはそうやって浮いた時間の使い方にこそあったのではなかったろうか?「浮いた時間で大事なことを考えるためだけに頭をこき使え!」と。

人はとかくルーチンワークで毎回、同じような失敗を繰り返し、その言い訳・取り繕いで頭がいっぱい。これでは創造的なことなど考える余裕などない。

などと考えているうちに余韻の残しながら、あっという間の1時間半が終わった。

結局のところ多くの“不可能”は勝手に自分の中で制限を付けていることが多い。今回のように不可能を可能にするやり方はいくらでもある。変な常識にとらわれず頭を使いさえすれば。

講演に続いて、絶好のタイミングで、格調の高い上質な話を締めくくるのにふわさしい挨拶が師匠こと和僑会の筒井会長から、

と、思いきや

開口一番

「初対面のとき、人相の良くない人が何人かいたので正直、今回の講演は本当に大丈夫かと心配になった」

(ざわめく会場)

(え?)

(え~~。と、殿、殿中で…)

(しかし、言われてみると…)

なぜか、頭の中で五人の少年の頃のスナップショットを想像してしまった。

『わんぱく五人組!?』(失礼!)

ざわめく会場をよそに師匠が涼しい顔であいさつを締めくくった。

「お話を伺って5人のみなさんこそ、これからの日本のリーダーとして引っ張っていく素晴らしい方々だと確信いたしました」

(満場からの拍手)

今回のライブに参加できなかった人は本当に残念でした。しかし朗報があります。五人の語り部人呼んでジャズ・バンド・ノーティズ*(JBN)の追加公演があります。

*嘘です誰もそう呼んでいません。正式名称はJapanese Business Network です。(すみません)

公演場所はハワイ、シンガポール マレーシア、 ロサンゼルス 上海、香港に続いて 11月にはシドニー、そしてその後バンクーバー、ニューヨーク、ロンドン(邦人数ベストテン都市)と続く予定です。この機会に最寄り(?)の会場へぜひお越しください。

嶋津先生、鮒谷先生、泉先生、石田先生、本田先生本当にありがとうございました。ぜひまた香港。華南へお越しください。

あ、各先生の著書もお勧めですよ。

【所変わって2次会立食会場】

『ふ~。なぜか今日はひどく、ぐったりした』

(多々反省点はあるものの)なんとか、大事なく(?)講演会が終わった。

と安心したもつかの間。

挨拶に立った荻野先生のショートスピーチでいきなり爆弾プレゼントが、

「3つの質問をします。①起業の持つ意義、②起業の目的、③起業のもたらす結果。これらの皆さんの意見をメールで是非下さい。私のメールアドレスはogino@fenixgh.com」

(多分、まだ受け付けていると思います。ぜひ今からでも応募を!)

『え、起業の意義とは?当たり前のことを直球で聞かれるとちょっと…。起業の目的?教科書的には「自己実現!」しかしサラリーマンでも実は実現できることはたくさんある。自分で勝手に制限している面はないか…。また大組織にいるからこそできる自己実現もある。結局、起業との違いはなんなのだ??

「もたらす結果??」試行錯誤を繰り返すのだからあきらめなければ最終的にはきっとうまくいくに決まっている!(あまりに楽天的すぎ!?)などと質問の答えを求めて頭が再び激しく回り始めた(単なる空転?)』

あたかも本日の気づき「頭は大切なことを考えるためにだけ使え」に触発されてその場で考えられたと錯覚するような宿題。

起業家なら当然、深く考えているべき内容の質問ばかりだが、私の場合、それすら即答できない。『普段頭をこき使っているつもりが、実は全然肝心なことは考えていなかったのか。』たった3つの質問で思い知らされた。

「もし、あなたが死にそうな状況になって、 助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、 何をする?」 と聞かれ、かのアインシュタインはこう答えたという「最初の55分は適切な質問を探すのに費やすだろう 」と。

上記の3つの質問。サラリーマンの中に身をおいていたら、おそらく考えもしない内容。しかし起業家にとってこれほど“適切な質問”はない。

こんな極上の質問を成功者から直接いただける。しかもアドバイスまで。いつもながら、和僑会にいると本当に頭から湯気が出るほど考えさせられる。

荻野先生、講師の皆様、本当にありがとうございました。

(文責 和僑会上野)

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