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第60回香港和僑会

May 28, 2010

 

第60回

佐藤よし子氏

第60回香港和僑会

開催日

5月28日(金)   19:00 ~ 21:30

開催場所

日本人倶楽部

参加者数

30名

第60回香港和僑会

色鮮やかな花柄のワンピースに若草色のジャケット。

華やかな装いに優しい微笑みを浮かべた、本日の講師、佐藤よし子先生。

上品かつ和やかな雰囲気に包まれた先生より、初めに簡単な自己紹介があった。

22年前に立ち上げた「ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール」。

よく「フィッシング(釣り)」や「スイミング(水泳)」のスクールに間違えられるが、“フィニッシングスクール”という名前は、18世紀にイギリスで始まった「最後の仕上げ(フィニッシュ)を学ぶための女性向けの学校」から来ている。

“そんなスクールを立ち上げるなんて思いもよらなかった”佐藤先生が、この学校を始めたきっかけは、雑誌「バンサンカン」で当時は珍しかった“英国記”について連載を始めたこと。その連載が好評を受けたため、サロンを始めたところ、100人、200人と多数の人が集まり、フィニッシングスクールを立ち上げるに至った。

また現在、甲南大学にて、海外に出る子女のために「海外に出るために知っておかなければならないマナー」について講義している。以前、アメリカの大学に留学した日本人学生のマナーに対し苦情が多く寄せられたため、佐藤先生に白羽の矢が立ち、大学の教壇に立つことになった。

続いて、マナーの歴史について。

マナーの発祥国は実はイタリア。16世紀にイタリアの名家のお嬢様がフランスに嫁いだことでマナーもフランスに、やがてはイギリスへと伝わり、トップクラスのマナーの国が入れ替わっていった。 16、17世紀にはイタリアの方がうるさかったマナーが、19世紀にはイギリスの方がより厳しいものに。

現在ヨーロッパでは、一定の階級以上のマナーは共通しており、マナーを見ればその人がどの階級に属しているのかが分かる。

例えば、紅茶の飲み方。

◆紅茶を飲むときのミルクの入れ方

【先にミルクを入れる】・・・・・労働者クラス

【後からミルクを入れる】・・・・上流クラス(日本人はこちらの入れ方が多い)

◆アフタヌーンティー or ハイティー の呼び方

【アフタヌーンティー】・・・・上流クラス

【ハイティー】・・・・・・・・・・・労働者クラス

ビジネスシーンでもマナーを見られている。

「日本の常識は世界の非常識」と言われるように、「武士道」を基本とする日本と「騎士道」を基本とする欧米では、基準が両極端のことが。日本人が普通だと思っていることが海外に出ると実はとんでもない事になってしまうケースがある。

日本にも日本のマナーがあるが、両方のマナーを知って使い分けると良い。

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 ◇◇国際ビジネスシーンで役立つマナー講座◇◇

【一流レストランでオーダーする飲み物】

   ○・・・ホワイトワイン、シェリー、シャンパン

   ×・・・ビール

ビールはカジュアルなお店でたしなむのが正しい。

【乾杯の仕方】

   ○・・・グラスとグラスをあてない。

   ×・・・グラスとグラスをあてて音を立てる。 

グラスをあてていいのは、女王陛下と敵国の王様のみ。

昔は銀のグラス同士を強くあてることで、毒が入っていないかを判定していた。

現在は女王陛下のパーティー等で、壇上の大使や総領事などはグラスをあててもOKとされている。

【グラスの持ち方】

   ○・・・足の部分を持つ。 

   ×・・・・カップの部分を持つ。

映画タイタニックのテーブルシーンでも、1等クラスのローズと3等クラスのジャックのグラスの持ち方に違いが出ていた。長いグラスはできるだけ下の方を持つのが上品とされる。

--------------------------------≪ビュッフェでのマナー≫-----------------------------------------------------------

ビュッフェは日本人が大好きだが、実は最もマナーがうるさい。

“ビュッフェ”と“バイキング”は別もの。

バイキング・・・・何でも自分の好きなものを好きな時に取ってOK。

          (ヨーロッパでは通用しない。)

ビュッフェ・・・・コース料理と同じ順番で進めていかなければならない。

          オードブル→スープ→メイン→デザートの順で。

【女性のバッグ】

   ○・・・小さい肩からかけられるバッグ。

   ×・・・大きいバッグ。

  両手が動く状態を保たなければならないため。

【食前酒】

   ○・・・ペリエ、ホワイトワイン、オレンジやグレープフルーツ等の

       フレッシュジュース 

   ×・・・・ウィスキー、砂糖入り飲料(エード、コーラ、ファンタ等)

  食前に砂糖入りの飲み物を飲むと、食事がおいしく感じられなくなるため。

アメリカのブッシュ大統領がイギリス訪問の際、女王陛下が20年もののワインを用意していたにもかかわらず、「何を飲みますか?」の質問に「ペプシコーラ」と答えた。翌日のニューズウィークに、「我が国の大統領はマナーを知らない」「恥をかいた」と嘆く記事が掲載されたとのこと。

【食間酒】

   ○・・・・ワイン

さまざまなお酒を混ぜると、人間は悪酔いして気分が悪くなることから、18世紀に食間酒はワインと定められた。

【料理の取り方】

   ○・・・自分の取りたい物を食べたい分だけ取る。

   ×・・・・みんなで取ってきた料理をシェアする。(日本人はよくやる)

オードブルとケーキ、メイン料理とシュークリーム等、料理とデザートを同じ皿に載せてはいけない。指が隠れるくらい盛ってはいけない。お皿を持った姿も美しく!

日本では、ホテル等でコンパニオンが料理を取って渡してくれたりするが、海外ではこういうサービスはない。あくまでも自分の食べたい物を食べたい分だけ取るのがビュッフェのマナー。

【食べる際の場所】

    ○・・・元卓から離れて食べる。周りに小さなテーブルやイスがあれば、そこで

        食べるのもOK。

    ×・・・元卓にむらがって食べる。

日本人は元卓にむらがって食べる人が多いが、料理を取ったら元卓から離れて食べ、料理を取りに行くときだけその都度元卓へ行くのがマナー。

【デザート時の飲み物】

    ○・・・デザートの時は水かワイン。デザートの後にコーヒー。

    ×・・・・デザートと一緒にコーヒーを飲む。

※ティータイムは デザートを食べながらコーヒーを飲んでもOK。

  食事の際のデザートは、一緒にコーヒーは飲まない。

--------------------------------≪レストランでのマナー≫-----------------------------------------------------------

【服装】

     男性はジャケット(場合によっては +ネクタイ)

     女性はドレスアップして。

     シェフに対して尊敬の意を表すため。

香港のペニンシュラホテルでは「短パンとクロックスで歩くな」という貼紙が、以前は日本語で、今は中国語と英語で貼ってあるとのこと。

【お店への入り方】

     ○・・・女性が前に、男性は後ろからエスコート。

         「予約している佐藤です。2名です。」と必ず口頭で告げる。

     ×・・・・ピースサインのように、指で人数を示す。

ヨーロッパのレストランで「特別室」に案内されたと勘違いしている日本人が多い。実は、入り口で係員に服装やマナーをチェックされ、マナーがなっていないと判断されれば、他のお客様に不快な思いをさせないように他のお客様の目に付かない「特別室」や隅の方へ隔離される。

【着席】

      ○・・・・女性が先に座る。

           (バッグは小さめのものを。自分とイスの間に置く。)

          女性が座る際に、男性は後ろに立ってエスコート

          (後ろから軽くイスに触れてイスを引く振りをすると尚良い)

      ×・・・男性が先に座る。

係員がイスを引いてくれた時に、真っ先に座ってしまう日本人男性が多いが、ヨーロッパではマナー違反。

【食事中】

      ○・・・・ささやきながら(Whispering)会話を楽しむ。

      ×・・・・大声で楽しく大宴会。

      ○・・・・手は食事をしていない時でもテーブルの上に置く。

      ×・・・・・テーブルの下に手を置く。

テーブルの上に手を置くのは「武器を持っていません」という表示。昔はナイフを下に隠し持って相手を襲うことがあったため。

【お茶・スープの飲み方】

       ○・・・・音を立てずに飲む。

       ×・・・・・すすって飲む。

イギリスの大使館では、パーティーに日本の大臣や大使が出席する場合、スープは出さずにオードブルを2回出すとのこと。スープを出すと9割方すすって飲むため、他国の大使が嫌がるというのが理由。

【食器の銘柄が知りたいとき】

       ○・・・ボーイに口頭で聞く。

       ×・・・・食器を裏返して見る。

日本には“拝見”といって食器を手にとって眺める習慣があるが、ヨーロッパではマナー違反。

佐藤先生が18才の時にドレスに着替えさせられ、貴族の館のアフタヌーンティーに連れて行ってもらった時のこと。食器の銘柄か知りたくて食器の裏を見たところ、即座にイギリスでの保護者に手で叩かれ「口で聞きなさい」と言われた。当時マナーが身についていない彼女に対し、最初はアフタヌーンティーの場では、「Lovely」「Thank you」「Beautiful」の3つの言葉しか話すことが許されなかった。

【食後のナイフ、フォークの置き方】

  ○・・・縦まっすぐにして置く。

      (ナイフは切る方が内側、フォークはすべらないように反り返っている方を上に向けて)

  ×・・・斜めに置く。(旧フランス式→アメリカ経由→日本に入ってきた置き方)

【ティースプーンの置き方】

  ○・・・かき混ぜたら、カップの向こう側へ。

【食事のオーダー】

   ○・・・空腹じゃないときは、コース料理を頼まないで前菜とワインだけなど、

       単品で頼む。

   ×・・・・お腹がすいていないのに、コース料理を頼んで料理を残す。

料理を残すのはマナー違反。食べれる分だけオーダーする。

【トイレに立つタイミング】

   ○・・・オーダーして料理が運ばれてくる前であれば席を立ってもOK.

 一流のレストランではトイレの横に電話があることが多いので、トイレの場所を聞く際、

 間接的に「電話はどこですか?」や、女性なら「手を洗いたい」等と聞くのが良い。

   ×・・・・食事中

最初の料理が運ばれてきてから、デザートが終わるまでの間)に席を立つのはマナー違反。

【ナプキン】

   ○・・・食事がくるタイミングをみて膝の上に。

       その際、3分の1に折って、折り目側(輪の方)を体の方に。

係員にナプキンをかけられた場合、「この人はナプキンをかけるタイミングを知らない」と判断されたことになる。

   ○・・・席を外すときは、イスの上にふわりと(畳まないで)乗せる。

   ×・・・・席を外すときに、机の上にのせる。

ナプキンは騎士の手袋と同じ扱いで、机の上にのせると、「もう帰ります」の意味になる。

【パンの食べ方】

   ○・・・ちぎって食べる

   ×・・・・切って食べる。

パンはキリストの肉という意味を持っているので、切ってはいけない。  

【お店を出るとき】

   ○・・・女性にコートがある場合は、男性が女性にコートを着せてあげ、ドアを開けて女性を外へ出してから自分も出る。

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≪質問コーナー≫

 

Q.ビュッフェの際に、自分のグラスやお皿が分からなくなったら?

A.新しいものを取りに行く。

 

Q.ベロベロになるまでお酒を飲ませる日本の風習は?

A.欧米では必ず「もう1杯いかがですか?」と尋ねてからお酒をつぐ。勝手にはつがない。

 欧米では、勝手に決めないで、何でも相手に尋ねてから行う。

 例えば、ケーキの切り分け方。

 ×・・・ケーキを人数分均等に切り分けて全員に配る。(日本ではよくやる)

 ○・・・食べる量を尋ねてから切って渡す。いらない人には渡さない。

     相手の好みをリスペクトして、必ず聞く。

 

Q.エレベーターの乗り方は?

A.日本(武士道)の場合 男性・・・先に乗る(曲者がいないかどうか調べるため)

              女性・・・後から乗る。

欧米(騎士道)の場合 女性・・・先に乗る。

              男性・・・後ろからエスコート。

どちらのマナーも基本は「相手を思いやる」ところから始まっているが、基準が違うために逆になっている。

 

Q.ビュッフェ時の名刺交換は?  

A.OK.ビュッフェは本来それが目的。

 

Q.名刺の渡し方は?

A.両手で。片手の時は「片手で失礼します」と言い添える。

 

Q.テーブル越しの名刺交換は?

A.テーブル越しはマナー違反。相手の席までぐるっと回ってから渡す。

イギリスでは女性は席を立たず、男性が立って回るケースが多い。

以前中曽根首相が座っている席にサッチャー首相が回ってきて挨拶をされたとき、中曽根首相が座ったままで挨拶し、翌日のニューズウィークに「日本のジェントルマン」と皮肉ったタイトルで取り上げられた。

 

Q.香港では急須にお湯を足していくが、イギリスでは?

A.OK.お湯も一緒についてくるので、自由に足して良い。

 

Q.ビュッフェの際にしてはいけないことは?

A.鼻をすするのはタブー。鼻をかむのはOK.

ハンカチをひざに広げるのはタブー。ハンカチは鼻をかんだり汗を拭いたりするもの。日本で流行っているタオル地のハンカチは、あくまでもフェイスタオル。

 

Q.男性が自分から女性に握手を求めるのは?

A.これはNG。女性から握手を求められればOK。

 

Q.レストランの席順は?

A.女性同士が隣はダメ。男女交互に隣になるように。向かいは同姓で隣は異性が基本。夫婦はクロスした形で引き離す。

 

Q.靴を脱ぐのは?

A.飛行機ではスリッパも用意されているのでOK。レストランではタブー。

 

Q.女性の靴は?

A.正式なディナーパーティーでの基本はパンプス。オープントゥはOK。

  バックストラップはダメ。ミュールはダメ。(カクテルパーティならOK)

 

Q.結婚式で帽子をかぶるのは?

A.昼間はOK. 夜はタブー。

 

Q.食事中に物を下に落としたときは?

A.ボーイをじっと見つめ、気がついたところで手を上げて合図する。

 「Excuse me」と声をかけるのはマナー違反。

円卓では通常左側に自分のパンが置いてあるが、隣の人に食べられてしまった場合でも、隣の人に直接言うのではなく、ボーイに知らせてボーイから隣の人に言ってもらう。

 

Q.足を組むのは?

A.昔はダメだったが、今はOK.

 

Q.イギリス人はどうやってマナーを学ぶのか。

A.家庭で受け継がれる。イギリスではマナーは本にのっていない。理由は階級が混ざってしまうことを嫌がるめ。見よう見まねで身につけていくところは、日本の茶道に似ている。

 

Q.これだけはやってはいけない事は?

A.逆ピース。(てのひらを自分側に向けたピースサイン)

日本の若い女の子がよくやるが、イギリス(特にロンドン)では、相手を侮辱する意味になる。

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~最後に佐藤先生より~

かつて美しい国ジパングと呼ばれた日本の武士は、美しいマナーを持っていた。

今でも受け継がれてはいるが、ニューズウィークでは世界でマナーの悪い国第3位に日本がランクインしている。日本式、西洋式、両方のマナーを知ってTPOで使い分け、美しいジパングの武士に戻ってほしい。

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日本人が間違えがちなマナーを中心に、楽しいエピソードを交えながら分かりやすく教えて下さいました。つぎつぎに飛び出す参加者からの質問にも明解にご回答いただき、あっという間に過ぎた90分でした。

佐藤先生、本日はどうもありがとうございました。

記:渡辺美穂

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