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第100回定例会

第100回

フェニックスグループホールディングス 会長 荻野 正明氏

開催日

12月5日(木) 19:00 ~ 21:30

開催場所

TKP カンファレンスセンター

参加者数

80名

第100回定例会 「続・起業のすゝめ」

<来賓の方々からのご挨拶> まず最初にJBNの池田会長より「第100回という記念すべき時に出席出来たこと大変嬉しく思っています。JBNは日本の中で変革する、和僑会は海外で文化の違うところで活躍されていた。すごいエネルギーと感じ、これまで交流し、昨年は正式に提携をさせて頂きました。これからますます交流が深まることを期待します。」とのご祝辞を頂きました。 続いて、Joseph Wong主席より「香港には53の貿易団体があり、約20,000人のメンバーがいる。業種は飲食、製造、ファッションなど多岐に渡り、彼らが中国市場に参入するために香港政府はファンドを設立し、資金的な支援をしている。和僑会メンバーが中国市場に参入するためのサポートを歓迎したい。」とのお言葉を頂きました。 そして、最後に古田主席からは「去年12月の和僑会で“地殻変動”が起きているとお話をしましたが、もう既に大中華経済圏は始まっています。両岸四地(中国、香港、台湾、マカオ)の中小企業は政治を全く抜きにして、言葉、文化の繋がりで集まり、振興しようとしています。それを推進しているのが今日ここに出席された黄会長です。つまり今日、和僑会、日本のニュービジネス協議会、香港の中小企業のトップである黄会長が集まっているこの部屋はものすごいエネルギーに満ちています。本日の会が益々ご盛会になられることを祈願してお祝いと挨拶にさせて頂きます。」とのメッセージを頂きました。 <荻野会長の講演> ■起業とは「Be innovative」であることの連続 起業とは一体なんだろう。何をどうしたらよいのか。それはBe innovativeであるいうことを目指すことで、すなわちイノベイティブなアイデアを実践することだと思う。イノベイティブなアイデアとは何か?簡単に言えば、人がやっていないことをするということ。「人がやっていないことをやれ?そんなものは無い。」という答えがよく返ってくる。でも、例えばラーメン屋はいっぱいあるけれども、味、接客、サービス、店の雰囲気、器(うつわ)など、他店に無いものが2つ3つ提供できれば、間違いなくその店は流行る。例えば接客の良さ+気持ちの良い店舗環境、適度な値段(業界最安値または最高値である必要はない)の3つがあれば、ラーメンそのものの内容が、それほど出色でなくても十分商売にはなる。 先日、バンコクの和僑世界大会に行った時、居酒屋をやっている人の話を聞いて感動した。今度、夕張市に出すお店はスタッフ4名全員、少年院を出てきた人達。そして彼が各地のお店でやっている朝礼(または夕礼)が大変ユニーク。そのやり方を取り入れた小学校での朝礼のビデオを見ましたが、朝礼の最後に、男の子も女の子も、発育不全の子も、みんながニコニコして”イェイ!”と言いながらハイタッチをしあっている姿がすごく感動的でした。起業と何の関係があるかって?社内のムードをどうやって作り上げるか?ということなんです、あれは。要するに人がやっていないことをやっているわけです。その業種に誰も手を付けていないということではなく、多くの人がすでにやっている業種であっても、あなたの手に掛かれば、ずいぶん違うものに生まれ変わる可能性がある。すごく原始的なことも含めて、多くの人たちが見落としていることに目をつけていくということが、非常に大きなポイントだと思います。 実際、どの業種でもイノベイティブにできる方法はあると思う。そして、皆さんにもそういうことだと分かると思う。でも、その方法を実際に実践しようとすると結構難しい。だから起業しない。でも、もう一度考えてみたらどうですか?本当に不可能なのか。あまりクヨクヨして、いくつものことを考えても何にもなりません。まあ、最後は決断ですから。やってみようと。だから起業するなら、出来るだけ若いうちにやって下さい。失敗してもやり直しがきく。 ■5年という時間限定プロジェクトの提案 例えばビジネスに必要な5人の仲間が集まり、プランを練って、5年プロジェクトをやってみてはどうか。 何故5年か?要は5年以上やらないということ。時間は無限にあるわけではないという基本の考えに沿った計画にする。5年で結果を出すということをしっかり理解して全員が必死で取り組む。今スタートして、5年目にはここまでもって行くと。そのようにして5年経ったら、選択肢がいくつか出てきます。①IPOを目指す。すなわち上場させる。②上場は難しいけれど、そこそこの値段で売っちゃう。③思ったほどよくない。じゃあもうちょっと続けるか。④ここでギブアップしてもう止めるか。 いずれにしても、5年で結果を出さなければならない。目標がはっきり決まっているわけだから、その為に何をどうするのか、全員の能力と智恵と体力を結集してその目標を達成しようと努力する。これが僕の考え方。まぁ人間、そこそこの人が集まって全力を尽くせば大抵のことは出来ます。5年目に狙ったとこまできたら全員が集まり、出た利益を分ける。そして「じゃあ、また来年、新しいアイデアを持ってここに集まろう。そのためにみんな1年間充電して来よう。」こういうことをやってみたい。 実は20年前から考えているプロジェクトがあります。それは飲食のチェーン店で、5年間でフランチャイズを200店舗までもっていくことが目標。どういう訳か僕はこれまで出来なかった。理由は簡単で、キッチンの事が全然分からなかった。あと、適材が見つからなかった。そんなことを和僑会の人と話をして、「やろう!」ということになったら面白いと思う。 ■ネットビジネスのタブー 無人島に店を開くな ネットビジネスがすごく注目されている。 我々もネットでバックを売っていて、4年くらい前に始めた頃、1ヶ月150万円も売ったら「やったー!」と言って喜んでいた。今では良い時は1日で150万以上売ってしまう。そして月間に5,000~7,000万円は売れている。ネットビジネスは何故、魅力があるのか。1番は運営コストが低いこと。要するに店舗が要らない。店舗が要らないという事は家賃が不要。内装が不要。販売員が不要。百貨店で売っている値段とネットでは同じ値段で売っているケースが結構ある。伊勢丹で今、月間大体1200万くらい売っている。小さい、たった3坪の店ですけど。でも家賃として売上の40%をもっていかれます。1,200万円の40%は480万円。これ、3坪を割ったら1坪160万円の家賃を払っている。こんな高い家賃、香港でも無い。銀座の6倍以上の家賃を伊勢丹に払っていることになる。それがネットだと全部要らない。 こんな馬鹿みたいに儲かるのに何故みんなやらないのか? 何年か前に香港の会社がネットで売ろうとしてホームページを作ったところ、1年間でたったの6個のバッグしか売れなかった。どういうことか。実際の店舗であれば、どんなに悪い場所でもある程度の人通りがあるし、外から店がオープンしたことも分かってもらえる。でもネットで誰も知らないという場合、世界中のだれもが知らないという状況になる。会社の社員、身内だけしか知らない店。これは無人島に店を開くのと同じことです。無人島に店を開いても売れるはずがない。だから、たまたま漂流して来た人が何人かいて、買ってくれたのが一年で6個。 どうやってこういうことを起こさないようにするか。ポイントはマーケティング。どうやってより多くの人に知ってもらうか。SMEにとってこんな素晴らしい環境はない。如何にして無人島にお店を開いた状況にしないかだけが問題。起業についてはどんどん、我々のような年寄りを捕まえて話をするべき。人生において大きなジャンプのチャンスになります。 ■年寄りは無料のパソコンみたいなもの 経験とは何なのか?自分の頭の中で情報・経験・知識といったものが、どういうふうに処理されているか。ジグソーパズルに似ていると思って下さい。2,000ピースのジグソーパズルだと大変ですよ。本当に最初は周りの縁は埋まるけど、真ん中がなかなか埋まらない。これを人間はずっーとやっているんだと思って下さい。 そのジグソーパズルのパネルが何千枚、ひょっとしたら何万枚、頭の中にあります。そして何かあるとパネルの中に情報のピース(破片)がはめ込まれて、何回も何回も経験していくと、例えば起業とは?言われると僕だったらもう即答できるし、1時間話してと言われれば話せます。というのはいろんなケースが見えているから。起業とは一体何か。何のためにやるのか。どこに落とし穴があるのか。どういう風に考えるべきなのか。大部分が見えているから言える。それは実社会において50年の経験があるからやれる訳であって、それが10年、15年の経験がある方、若しくはそれよりもっと経験の少ない20代の方にそれをやれと言っても無理な話です。知識も一緒です。学んだり聞いたりしたことはピースとしてパネルにはめこまれて、ひとつのイメージとして頭の中に蓄えられている。だから何か必要な時になるとそのイメージがぴょっと出てきて、あなた方にその答えを見せてくれる。ああそういうことかと。だから簡単に言うと、われわれみたいに長く生きてくると非常にたくさんのパネルを持っていて、しかもそのほとんどのパネルが埋まっちゃっている。だから何が描かれてあるか大体見える。ところが、あなた方のパネルはまだ埋まっていないから、取り出しても縁しか埋まってない。真ん中にどういうイメージがあるのか全く分からない。というのが若い時なんですね。だから、年寄りを上手く使うことですね。年寄りは無料のパソコンみたいなもんです。質問を書き込んでクリックすれば、答えがポンと出てくる。ところがこのパソコン、時々言でもがなの事を言う。「こんなことも分からないのか」とかね。でもそれはちょっと無視して下さい。取り敢えず、タダで答えが出てくるパソコンだと。 ■「誰も命まで取るとは言わん。」 起業して生活に大変苦労したが、継続しようとしたエネルギーの根源とは何だったのか? 僕はずいぶんと脳天気というところがありまして、とどのつまり、行き着くところは解らない、「なるようにしかならないんだ」と思ってました、ほんとに。僕もクヨクヨする。どうしようかとも思う。でも、結局はなるようにしかならないと思うとスーッと楽になる。もう寝ようかと。だって1杯飲んで寝ようと思っても、その1杯が無かったからね。ある程度、人生、なるようにしかならないと思っていたほうがいい。それがもし悪い方に出てきたら、これが俺の人生だと思っていた。 僕の先輩が「お前、香港に行って来い」と送り出してくれた時にひとこと言った。「誰も命まで取るとは言わん」。この言葉、ずーっと僕の頭の中に留まっていた。で、何か困ったことが発生すると僕はそれを口に出して言ってみた。「そうか。誰もぼくの命まで取るとは言わんか。」ならいいや。こういうノリでここまでやってきたんです。難しく考えることはないのです。 以上

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