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第145回定例会 経営者、リーダーのためのアンガーマネジメント~『上手なしかり方』しかり方が組織を変える!~

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介氏

2017年最後の定例会は昨年からずっと温めていた企画、日本アンガーマネジメント協会の代表理事、安藤俊介さんによる講演会でした。

安藤さんは最近、日本のテレビによく出演されたり、雑誌、新聞など多くのメディアに出ておられており、今回は香港和僑会のために過密なスケジュールの間を縫ってわざわざお越し頂きました。

まず、「アンガーマネジメント」とは、怒らなくなるのではなく、怒って後悔しないようになることであり、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになることで、怒りがこみあげてきても、すぐ反射せずに6秒待ったり、イライラ・怒りの温度(点数)をはかることで衝動をコントロールするができます。

今回は一方的に講演を聞くスタイルではなく、参加したお隣同士でゲームをしたり、意見交換をしたりして盛り上がりました。その中の一つが「怒りのボキャブラリーゲーム」。制限時間以内に怒りの表現(激怒、立腹、ふくれる、むっとするなど)を出来るだけ多く挙げるというもの。ゲームをして分かったことは、意外と怒りの表現が思いつかないこと。言葉の能力が低いとよく説明することができず、キレやすくなるので、言葉の引き出しを増やすことが大事です。そのためには、様々な文化(読書、映画、芸術など)に触れたり、いろいろなコミュニティーに入るとよいそうです。

さて、私たちを怒らせるものの「正体」とは一体何でしょうか?それは「誰か」、「できごと」、「なにか」でしょうか?実はこの3つの中に正解はなく、怒らせるものの「正体」は自分の願望、希望、欲望を象徴する言葉、「べき」だったのです!「べき」は理想と現実のギャップであり、私たちは会社はこうある「べき」、子どもはこうある「べき」、時間はこうある「べき」など考えてしまいす。

つまり、怒る原因は外部の要因ではなく、怒る判断基準、怒るか怒らないかを決めるのは、全て自分の中なのです。そこで、自分の中で①許せるゾーン、②まあ許せるゾーン、③許せないゾーンを決めることができれば、機嫌でなくルールで怒ることができるのです。もし①か②に入るのだったら怒らない。②はできる限り広くすること。人によってゾーンの広さが違うのは当然であり、それがはっきり見えていればよい。上司や部下など相手によって変わるのではなく、誰に対しても怒る基準があれば軸が「ぶれない人」になれます。

最後に悪い叱り方と上手な叱り方について。まず、「叱る」ことの目的はリクエストを伝えることをメインとし、自分の気持ちを伝えるのはサブにすることが大切です。悪い叱り方の例として、態度として「機嫌で叱る」、「人格攻撃する」、「人前で叱る」、「感情をぶつける」こと。NGワードとして、「過去」(前から・何度も言っているけど)、「責める」(なんで?どうして?なぜ?)、「強い表現」(いつも、絶対、必ず)が挙げられます。そして上手な叱り方は「基準」(叱る基準の明確性や納得性)、「リクエスト」(具体的で明確)、「表現」(穏当な表現や言葉遣い)があることです。

ちょっとしたテクニックで怒りはコントロールできます。怒りを上手にコントロールし、仕事や家庭でのコミュニケーションを円滑にしましょう!

(文責・執筆:香港和僑会事務局)

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