第9回起業塾 「起業家に失敗が多いのはなぜか?」‐失敗を防ぐ方策

June 20, 2015

「自分力」を高める。

サラリーマンでも「自分力」は高まるが成長が遅い。一方起業家の方は自己責任の感覚の基に全ての仕事をしているので成長が早い。しかし、まだ起業していない人、起業して5年目の人、20~30年やって成功者と見られている人の差は歴然である。

 

<起業が失敗する原因について>

先の起業塾で言ったように、起業するために必要なことと、その手順は次の通りである。

①「自分は起業するんだ」という強い決心である。これなくしては何も始まらない。

② 次に必要なことは「何をやりたいのか?」がはっきりしていること。

③ そのやりたい事業を、どうやって具体化するのか?という方法論についての答があること。

④ その次が、必要な開業資金(=種銭)があるのか?という問題。

⑤ 一人でやるのか?パートナーを必要とするのか?スタッフの数は?人的な見通し。

⑥ それから、そういう諸条件をもとにして、事業プランを作成することになる。

⑦ 事業プランは何度も見返し、穴が無いかどうか検討したうえで「起業相談室」へ持ち込む。

⑧ 起業相談室で十分揉んだ後、実行するかどうかの決定をする。

⑨ 資金面で必要があれば、和僑キャピタルからの資本導入を申し込む。

⑩ 開業に必要なものはすべてそろったので、あとは「GO!」の掛け声だけで船は進む。

 

★ 起業の失敗の原因のほとんどは

① 必要十分なビジネスプランの検討がされていなかった → 原因と結果の予測が足りなかった

② 十分な資金を調達せずにスタート → 資金繰りがついて行かなくなる → 倒産

③ Innovativeな部分がほとんどなかった。他人の目には、何ら新鮮味のないビジネスに見えた「とりあえず食える」ビジネスからスタートしても、結局は人のやってないことに挑戦しない限り、成功はないのだ。「Be Innovative」の意味をもう一度よく考えること。

④ 自分一人で何でもやろうとして、できるスタッフを入れなかった。

⑤ ④の逆で、自分は「社長」だからと、仕事をほとんどスタッフ任せにした。

⑥ 起業家とサラリーマンの間には、責任感に天と地ほどの差があるが、その事を知らなかった。『起業する』ということは全て自己責任の世界に入るということ。人のせいにはできないどころか、部下の責任も自分が取ることになる。

⑦ 会計に関する知識、特に「資金繰りの重要性」の理解不足から起こる「黒字倒産」的な行き詰まり。

⑧ 性格的に他人への依存度が高い人は、いつも誰かに寄生していないとやっていけない。それでは企業は失敗する。

⑨ 市場を見る鋭い目、分析力、変化を予測する能力などが欠けている人はすぐに終わる。

⑩ 「なるようにしかならない」は「人事を尽くして天命を待つ」の言いかえでしかない。「放っておいたら何とかなる」ではない。

 

<質疑応答>

Q:  人間力を高めるには?

A:  一言、「好奇心」である。エジソンやアインシュタインなどの発明家は好奇心の塊だった。

 

Q:  「自分がやりたいこと」と「やれないこと」の差はどうやって埋めるのか?

A:  まずはやると決める。そして続ける中で問題を解決していく。エベレストは一人では登れない。経営も同じで利用できるものは全部利用しなければならない。特にエベレスト登山に絶対必要な「シェルパ」と同様の人を身近に見つけておくこと。シェルパは、山の状態、天候の変化の予測、最悪の場合に最少の被害で済む対処法を、経験を通して知っているのだ。

 

Q:  起業するに当たり資金はどの程度余裕があったほうがよいか?

A:  ビジネスプラン通りに行くことはない。スタートしてみないと分からない。如何に対応するか。打たれ強い人でないといけない。

「資金力」も大切だが「自己責任の意識」、「精神面」、「知恵」が必要。起業して成功する保証はない。必死になって苦労することで舞台から消えずに残っていることになる。舞台から消えていった人は努力しなかった人や、当然やっておくべきことをやらなかった人たち。「この程度で良いだろう」ではなくて、もうこれ以上することは何もないというレベルまで仕事を突き詰める態度が必要。

 

<最後に物事の考え方について>

1. 問題は真正面から受け止める。毎日、その日の予定の中で一番イヤなことから先に処理する。

ぼくの人生の転機は27歳の時であった。1967年に品質で大問題を発生させてしまった。納品先は上海人の会社だったが10日間、毎日、やることリストの一番上に“Mr. Wongに電話”と記入したものの「とてつもない賠償金を要求されるのでは?」などと気後れして電話ができなかった。10日目に窓から夕焼けを見ながら「俺は一体何をやっているんだろう」と思い、ふと「命までとられることはない」という先輩の言葉を思い出し、電話をした。交わされた会話の相手の第一声「全然連絡がなかったが、どうしていた?」「明日8:30にオフィスまで来てくれ」だった。

翌朝、彼のオフィスを訪問すると「何も連絡がないので心配した。」商売上の賠償は要求されたものの、想像を遥かに下回る額だった。しかも新しいオーダーもくれた。以来、やるべき事の後回しはやめた。

 

2. 物事はポジティブなアプローチから

物事をネガティブな部分からアプローチした場合、最終的にネガティブな結果になる可能性が高い。それは最初のイメージが強いから。一方、ポジティブなアプローチから入り、ネガティブも考えるとよい。人生ではやらなかった事に対する後悔は少ないほうがよい。やった事は結果が出る。失敗をしたら反省して同じ事を繰り返さないようにすれば自分自身が成長出来る。でもやらなかった事はもしやった場合の結果が分からない。もし自分がやらなかったことで他の人が成功したら悔しいと思うだろう。ぜひ皆さんもそういう考えで挑戦して欲しい。

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